1957年生まれ。北海道大学医学部卒業後、杏林大学救急医学教室講師を経てハーバード大学外科代謝栄養研究室研究員に。キレーション治療とアンチエイジングを中心としたクリニックを開設。米国先端医療学会理事。著書に『食べる投資』ほか多数。
ニワトリの餌に含まれる黄色い色素がその理由です。卵の中では細胞分裂が繰り返され、ヒヨコへと成長する過程で絶え間なく活性酸素が発生します。色素を構成する主要物質「ルテイン」や「ゼアキサンチン」は強い抗酸化力をもち、細胞やDNAを守る働きをしています。
この成分は私たちの体内にも存在し、呼吸をするだけでも発生する活性酸素のダメージから体を守ってくれています。
私たちがモノを見ることができるのは、目から取り入れた光を網膜に映し出し、映像として認識しているからです。
なかでも特に重要なのが、網膜の中心部にある「黄斑部」。直径わずか5~6ミリほどの小さな部位ですが、光を感じ取る細胞が密集し、モノの色や形、立体感を鮮明に見分ける役目を果たしています。
この黄斑部全体に存在しているのがルテイン、中心近くにあるのがゼアキサンチン、最も中心部にあるのがルテインから作られるメソゼアキサンチンです。
▲ クリアな見え方を維持するために必要な3つの黄斑色素
目は体の中で唯一、外界に露出している臓器です。日光の紫外線をはじめ、テレビ、パソコン、スマートフォン、LED照明などから発生するブルーライト(青色光)による酸化ストレスに常にさらされています。 そこで、有害な光を遮り目を保護する「天然のサングラス」としての役割を果たしているのが、ルテインやゼアキサンチンなのです。
ところが、これらの黄斑色素は加齢とともに減少しやすいとされています。さらに、日々の酸化ストレスやブルーライトを長時間浴びることも減少を加速させる要因です。
ルテインやゼアキサンチンが不足すると、「目のかすみ」「ぼやけ」「まぶしさ」などを感じやすくなり、加齢とともに増える眼病のひとつである「加齢黄斑変性」のリスクが増大することも分かっています。
出典:Obana et al. ARVO 2005 Annual Meeting, Program 1572
実は、血中や黄斑部のルテイン・ゼアキサンチンの濃度が高い人ほど、記憶力や情報処理速度が良好で、認知症のリスクが低いことが近年の研究で明らかになりました。つまり、目を守ることは、脳の認知機能を守ることにもつながる可能性があるわけです。
活性酸素は目に見えないため対策を後回しにしがちですが、あらゆる老化の元凶です。5年後、10年後の健康への投資だと考え、ルテインやゼアキサンチンを積極的に補っていきましょう。
ルテインとゼアキサンチンの重要性について、ダイジェスト動画で分かりやすく解説しています。
ルテインやゼアキサンチンは体内では生成できません。日々の生活習慣を見直し、外側と内側の両面から目をケアすることが大切です。
喫煙は体内に大量の活性酸素を発生させ、色素の減少を招きます。
外出時はサングラス、室内ではブルーライトカット眼鏡を活用しましょう。
ホウレンソウやブロッコリーなど緑黄色野菜を油と一緒に摂ると吸収率が上がります。
食事だけでは不足しやすいため、サプリメントを上手に併用するのが効果的です。