篠原菊紀(しのはら・きくのり)プロフィール 1960年長野県生まれ。東京大学卒業後、同大学院教育学研究科修了(健康教育学)。現在、諏訪東京理科大学共通教育センター教授。同大学学生相談室室長。専門は脳神経科学、応用健康科学。各種フォーラム、実験への参加、テレビや雑誌への出演、情報提供など、幅広い活動を行っている。
『スピーク・マスター』では、英語のシャドーイングを毎日繰り返して行います。英語を口から出す練習がたくさんできる点で、脳科学的にも英会話学習に適した素晴らしい教材と考えられます。
シャドーイングでは、耳で聞いた英語をそのまま真似して声に出す練習を繰り返します。そのため英語のフレーズや熟語などの「言葉のつながり」が、口や舌の動きとして自然に記憶でき、話すときに自然と英語が口を突いて出てくるようになります。脳は覚えようとする「入力」よりも、話そう、使おうとする「出力」をした方が、記憶に関する海馬がよく働き、覚えやすくなるのです。
こちらの図は、シャドーイングを行っているときの脳活動です。言葉を聞き分ける中枢のウェルニッケ野、言葉を話す中枢のブローカ野が活性化しています。ただ英語を聞き流しているだけではウェルニッケ野のみが活動しがちですが、シャドーイングで直後に英語を繰り返すことで、ブローカ野も鍛えられます。