幼稚園・小学校の教諭として17年間の現場を経て現職。担当授業は、言葉指導法、ことば表現、幼児理解、保育実習総合指導など。「発達に合わせた保育の環境づくりアイデアBOOK」(ナツメ社 2016)、「思いが伝わる&気持ちがわかる!保護者対応のコツ」(ユーキャン2016)など、長年の現場経験を活かしたケースメソッドの提案を得意としている。その他、絵本の監修、解説など絵本に関わる仕事も多数。
まずは「音育絵本 みつけて!オノマトペ」を実際に手にされたご感想をお聞かせください。
おもしろかった! あらゆるところを音声ペンで触って、オノマトペを探しましたよ(笑)。
この絵本、大人も楽しめますね。こういう音声による「読み聞かせ本」は、ほとんどがアナウンサーや声優など、しゃべりのプロによるものが多いですよね。ももくろちゃんZの「読み聞かせ」は、それらのものよりもずっと親しみが持てて、子どもたちに受け入れられやすいのではないでしょうか。
音声ペンによる遊び要素もそうだけど、子どもに「絵本って楽しい!」って思ってもらえるステキな教材だと思いますよ。
具体的には、どういったところが親しみやすいのでしょうか?
ももくろちゃんZは子どもたちのあこがれのアイドルですよね。子どもにとっては、テレビでよく見る『身近で大好きなお姉ちゃん』的な存在なんですよ。だから「おひさまかなこちゃんがお話してくれるよ」というだけで子どもはうれしいし、安心してお話を聞いていられるんです。
実は、子どもは見知らぬ大人の声というものを怖がる傾向があるんです。
えっ、子どもは見知らぬ大人の声が怖いんですか?
そう。得体の知れない相手ですからね。しかも、音声のみで顔が見えないと、もっと怖い。
特に、そばに安心できる大人がいない状態で、音声のみを聞かせるというのはNGです。例えばオオカミの出てくるような怖いお話で、「ガオー!」なんて迫真の演技で迫られたら、もう子どもは恐怖のどん底ですよ。それで本がキライになったら、本末転倒でしょう?
だからもし、ももくろちゃんZをあまり知らないお子さんが遊ぶ場合は、動画(※)などで事前に親しんでから、遊んだ方がいいですよね。より、この絵本を楽しんでくれると思います。
※幼児向け知育番組『ぐーちょきぱーてぃー』は動画配信サービスHulu にて絶賛配信中!
この絵本セットは、子どもたちに喜んでもらえると思いますか?
もちろんですよ。普通の「読み聞かせ」は、大人が読む人、子どもが聞く人になりますよね。つまり子どもは、どちらかというと受動的なんです。
でもこの絵本は、音声ペンで「ここを読んで!」と、子どもが自分で働きかけることができます。これって能動的ですよね。それからオノマトペを探す楽しさ。これもとても能動的です。「どこが鳴るかな?」って、大人でもやたらに試すじゃない(笑)。この絵本にはそんなワクワク感がありますよね。「ぼくは、わたしは、探検隊!」みたいな。
物語の世界を音声ペンを片手に探検するなんて、子どもにとってはすごく魅力的な仕掛けですよ。
見本ができたとき、制作スタッフたちも本気で楽しんでいました(笑)。
確かに大人もワクワクしますよね(笑)。絵の中のオノマトペを見つけたら単純にうれしいし。
子どもはきっと見つけた言葉を積極的に真似すると思います。音声ペンから「ノロノロ」と聞こえれば、「ノロノロ」とかね。それが言葉の獲得や知識の獲得につながる。「なんだろう?」、「どこだろう?」と自発的に探す行為が、子どもの知的好奇心を育てることに役立ちます。
また真似をすることで、発話を促すいいきっかけにもなると思いますよ。
そうやって子どもたちが言葉数をドンドン増やしていけるといいですね。
響きのおもしろさから、興味を持ってドンドン言葉をため込んで…
そうそう。「言葉っておもしろいなぁ」、「これ伝わるなぁ」、「この言葉がピッタリだなぁ」、という感覚を持つことができれば、言葉に対する感覚が敏感になりますよね。
オノマトペのよさは、なによりも子どもの興味を引き付ける『音の楽しさ』だと思うんです。だから親御さんたちには、「これで指導しなくちゃ!」というような教科書的な使い方はしてほしくないですね。子どもと同じ目線で「おもしろい!」って、素直に一緒になって遊んでもらえたらうれしいです。きっとそれができる絵本ですよ。
ぐーんと言葉が好きになる!好奇心がめきめき育つ!「音育絵本 みつけて!オノマトペ」の秘密は、絵本11冊と2本の音声ペン。
絵本をペンでタッチすると…ももくろちゃんZが、読み聞かせをしてくれます。
さらに……魔法の言葉「オノマトペ」も!
計118分、ここでしか聴けない録りおろし音声。ももくろちゃんZと一緒に、物語の世界へ遊びに行こう♪