今、世界の人口は77億を超え、2050年にはおよそ100億人に達する見込みです。様々な人種、多様な言語、そして数限りない民族がこの地球上には広がっています。では、あなたはご存知でしょうか、このように異なる外見や言語を持つ私たちがみな、アフリカを旅立ったある集団の子孫だということを。私たち日本人も、ヨーロッパ人もアメリカ人もみな、もともとはアフリカ人だったということを。

一体、祖先はどのような旅を経て、世界中へと広がっていったのでしょうか？ そして、その旅が人類の進化にどのような影響を与えたのでしょうか？
この人類の壮大な旅に多角的な視点で迫るのがBBC制作の本作品です。

アリス・ロバーツ(Dr. Alice Roberts)
1973年ブリストル生まれ。解剖学者、作家、タレント。1997年医師資格を取得。サウス・ウェールズで研修医として勤務の後、ブリストル大学の解剖学部に所属、講師の職に就く。科学分野の広報活動にも熱意を注ぎ、テレビ番組、講演、執筆など活躍は多岐にわたる。

アフリカで生まれた祖先の足跡をたどる旅。本作品であなたと共に、その壮大な旅に迫るナビゲーターはアリス・ロバーツ。医師であり人類学者でもある彼女が、骨、化石や石器、そして私たちのDNAや先端科学技術などをもとに、簡潔でわかりやすく、より深く祖先の歩みをひも解いていきます。

アリスが旅する舞台はアフリカ、アジア、ヨーロッパ、オーストラリア、南北アメリカ。調査は砂漠や、洞窟にとどまらず、時には海中にまで及びます。
さらに、アリス自ら祖先が生き抜いた環境を追体験したり、使用した道具を再現することも本作品の見どころです。ハイエナが生息するアフリカの荒野で一晩過ごしたり、帆や羅針盤もないイカダで海に漕ぎ出したりと、本当に祖先が遥か昔に世界中へと広がっていくことは可能だったのか、持ち前のチャレンジ精神で身をもって体感します。

●アフリカの草原で一夜を明かす

▲20万年前、常に命の危険と隣り合わせで生き抜いていた人類の祖先たち。一体どのような環境だったのでしょうか。草原でひと晩過ごして何が起きるのか確認します。

●今なお狩猟生活を営む砂漠のハンター、サン族

▲ナミビアで初期の現生人類に近い暮らしをしているサン族と狩りに同行します。祖先たちは猛暑での狩りをいかにしのいできたのでしょうか。

●アフリカ南端で見つかった住居

▲これまで発見された中で最も古い現生人類の住居が南アフリカの海岸沿いで見つかりました。およそ16万年前には人類はアフリカ全土に移住していったのです。

●脱出のルートは？

▲東も西も南も海、そして北には途方もなく広大なサハラ砂漠。どうやってこの過酷な状況から他の大陸に出たのか？ 謎を解き明かしていきます。

●極寒の地シベリア。どうやってここにたどり着き、厳しい環境で生き抜いたのか

▲唯一の手がかりは現生人類が４万年前までにシベリアにたどり着いたことを示す石器だけ。気温マイナス40度以下、本当にこの寒さの中で生き残ることができたのでしょうか。

●氷河期がピークを迎えたころ、人の顔が変わった！？

▲細い目、小さな鼻、平たい顔、そして老化の遅い肌。このような顔の特徴はどうやってできたのでしょうか？

●東アジア160以上の民族からDNAを採取

▲160以上の民族1万2千以上のDNAサンプルを調べた結果、明らかな結果がわかりました。

●わたしたちホモ・サピエンスだけが生き延びた理由

▲9千年前、中国にいた狩猟採集民族の旅を終わらせる出来事が起きました。農業です。米の生産によって当てにできる食料を確保すると、人々は定住を始めました。やがて村ができ町となって大都市にまで発展してきたのです。

●ヨーロッパ最古の現生人類は？

▲2002年ルーマニア南の洞窟の奥で隠れた小部屋が見つかりました。そこには４万年前の現生人類の骨が。ヨーロッパの現生人類で最古のものです。

●ライバル・ネアンデルタール人との生存競争

▲ネアンデルタール人の最後の集落があったのはヨーロッパの西端ジブラルタル。現在は海底に眠っている「ネアンデルタール人の町」で絶滅の原因を探ります。

●ヨーロッパ第2波の移住者

▲2万5千年ほど前、ネアンデルタール人が滅びた後にヨーロッパへ新しい移住者がやってきました。この第２波の移住者は東から新しい文化をもたらしました。

●進化の過程で変わっていく外見と生活様式

▲氷河期から地球が再び温かくなり始めるまで100世代以上かかりました。ヨーロッパ人の外見に変化が現れたのはこの時期だったようです。その頃なぜ肌は白くなったのか？

●門外不出！500もの足跡が残る荒野

▲シドニーから西へ800キロ、気温40度を超える暑さで乾いた荒地で人類がいた形跡が発見されました。その場所は秘密にされています。

●マレーシア最古の部族

▲インド洋の周辺には独特な外見をもつ部族が点在します。マレーシア最古の部族とよばれるセマン族は他のマレーシア人とはかなり外見が違い、昔ながらの狩猟の腕が健在です。セマン族のDNAを調べると、祖先がマレーシアまでたどり着いた驚きの時期が明らかになりました。

●オーストラリアまでの移動ルートは？

▲はるか昔インドネシアのスマトラ島のトバ山が噴火。人類史上で最大の噴火でした。その火山灰は2000キロ北西のインドにまで到達し、緑ゆたかな土地は一瞬にして壊滅しました。トバ山の噴火が7万4000年前。人類はインドに到達していたのでしょうか？

●水平線のかなたに何を見たのか？

▲6万年前からオーストラリアを囲んでいた深い海。最後にして最大の難関です。当時使われていたであろう竹のイカダで海を渡る実験に挑戦します。帆や日よけはありません。果たしてこれで海に出たらどうなるのか。その結果は――。

●ツウ・ティナ族に伝わる伝説

▲アメリカへの最初の移住者の子孫といわれているツウ・ティナ族。民族のお祭りに参加して彼らの歴史をさぐります。

●発掘された驚異の新事実

▲考古学者のマイク・コリンズは、15年間テキサス郊外を掘り続けて、誰も想像していなかったものを発見しました。1万4400年前の出土品です。無氷回廊ができるより前にこの地には移住者がいたのでしょうか。

●人類が到達した頃のアメリカ大陸

▲マンモスとマストドン、広大な大陸を闊歩していた動物です。当時の武器がマンモスの化石と一緒に見つかっているように、移住者たちには勝てませんでした。

●太平洋を横断する！？

▲南アメリカで発見された1万3千年ほど前の頭骸骨。ルジアと呼ばれています。ルジアの顔の特徴を調べていくと、東アジア人にも現在のアメリカ先住民にも似ていないことがわかりました。なんとルジアと共通の特徴をもつのはオーストラリア周辺の人々。オーストラリアから太平洋を渡って南アメリカにたどり着いた、という可能性はあるのでしょうか？

鑑賞ガイド

人類にまつわる周辺知識や面白エピソードが満載！

映像集の内容をより詳しく解説した冊子です。地図やコラムもまじえて、これまでの人類の足跡をお楽しみいただけます。ぜひDVDと一緒にご覧ください。内容の理解がより深くより面白くなる編集内容です。

オールカラー48ページ（縦191mm×横136mm）

DVD収納ケース

BBC『ヒューマン・ジャーニー　遥かなる人類の足跡』全5巻と鑑賞ガイドを収納できる木製のケースです。黒を基調とした落ち着いた雰囲気ですので、テレビの近くにコレクションとして置いて、繰り返しお楽しみください。

サイズ（縦230mm×横110mm×奥行き160mm）