いま、不朽の名作とともに太宰治がよみがえる。
没後五十年特別企画
NHKビデオ
太宰治への旅
ビデオ全集全12巻セット 講師 作家 長部日出雄  
衝撃的な死からはや50年…。改めて太宰文学が見なおされています。
 太宰治が玉川上水に入水自殺をしてから50年以上が経ちました。名作『人間失格』は定期的に売れ続け、過去累積で最も売れた小説となっています。多くの作家や著名人が、太宰の影響を受けたともいいます。いったい何故、太宰がこれほどまでに人々を惹きつけるのでしょう。
 本ビデオ「太宰治への旅」は1998年に太宰の没後50年を記念してNHK人間大学(教育テレビ)で放送され、大変な反響を呼んだ番組を全12巻のビデオにまとめたものです。没後50年たったいま、さらに注目が高まっている太宰文学の人気と魅力の秘密とは一体なんなのか。独自の新しい太宰論を展開する作家・長部日出雄さんが新たな視点から解説します。若い頃とは違った「太宰文学」の読みかたで、ビデオを見終わったあと、もう一度あの名作たちを読み返したくなります。
 
太宰治への旅の特長
  「最高のストーリーテラーであり、喜劇作家である…。」解説は作家・長部日出雄さん。

「太宰治への旅」で今回解説を務めておられるのは、太宰と同郷の作家、長部日出雄さんです。太宰文学は、太宰の生き方から暗いイメージで捉えられがちです。しかし長部さんは「太宰の作品すなわち彼の生き方ではなく、すべて創作である」とする立場から、太宰を「最高のストーリーテラー(物語作家)であり、喜劇作家である」と新しい太宰論を展開します。かつて青春時代読み耽った方はもちろん、敬遠していた方にも「太宰の小説ってこんなに面白かったのか」と今までとは異なる楽しみ方と面白さが発見できます。
長部日出雄さん
講師 長部日出雄さん
プロフィール

 

斜陽館
斜陽館

かりの地、貴重な資料などをめぐる太宰探訪の旅が楽しめます。

津軽の生家・斜陽館から終焉の地、玉川上水まで…。太宰が訪れた土地や名作の舞台を長部日出雄さんが実際に訪ねながら、人間・太宰の足跡をたどります。貴重な写真、太宰直筆の絵や原稿などもふんだんに紹介し、居ながらにして太宰の世界を満喫できます。


 

々の名作・名場面を味わい深い朗読でじっくり堪能できます。

テレビや舞台などで活躍中、最近では番組のナレーションなどでも高い評価を得てい る名優・奈良岡朋子さん寺尾聰さんのお二人が、随所で素晴らしい朗読を聞かせてくれます。各巻のテーマ作品の名場面やクライマックス、関連する作品の決め科白など、時にしっとりと味わい深く、また熱のこもった迫力の朗読が、あなたの心を盛り上げてくれます。

香貫山中腹(静岡県・沼津市)

 

「人間失格」「斜陽」「走れメロス」…。あの不朽の名作の読み方が変わります。

太宰の作品にはみなさんも青春時代に夢中になったことでしょう。太宰はわたしたちの思春期のやりきれない胸のうちを代弁してくれました。本ビデオではそれら太宰の不朽の名作を紹介しながら、「大人になっても楽しめる」という太宰小説の秘密を 探っていきます。長部さん直伝の太宰論で、若い頃とは違った作品の楽しみかたもできるようになるでしょう。もう一度名作を読んでみたくなるのが本ビデオ最大の特長です。

 
 各巻紹介

第一巻
「思ひ出」の謎
第二
「魚服記」の秘密
〜生家と昔噺
叔母は、おまえがいやになった、とあらあらしく呟くのである。私は叔母のその乳房に頬をよせて、さうしないでけんせ、と願ひつつしきりに涙を流した。(「思ひ出」 より)
〜作家の原風景
「お父、おめえ、なにしに生きでるば。」「判らねぢや。」「くたばつた方あ、いいんだに。」(「魚服記」より)
『思ひ出』はじつに不思議な小説です。幼い修治にとって、叔母のきゑが世界のすべてというのは奇妙な生活環境だったといえるでしょう。事実太宰は、小学校へ入る直前まできゑを自分の母親だと思い込んでいました。私は「太宰文学の母」として知られるタケよりも、この叔母にもっと注目してみたいと思います。(内容一部抜粋) 滝壼で茶店を営みながら山中で一人炭を焼く父親。茶店の店番をする赤毛で野性的な娘のスワ。二人の会話で衝撃的なのは、いわば実存主義的ともいえる不条理の感覚と虚無感が共通して秘められていることです。民話の文体を用いながらも、同時代の若者が共通して抱いていた不安をじつに鋭く鮮明に描き出していたといえるでしょう。 (内容一部抜粋)

第三巻
「ロマネスク」の夢
第四
「道化の華」の実験
〜リアリズムへの反抗
私たち三人は兄弟だ。けふここで逢つたからには、死ぬるとも離れるでない。いまにきつと私たちの天下が来るのだ(「ロマネスク」より)
〜わが国初のメタフィクション
それだけの理由で、僕はこの大庭葉藏をやはり押し通す。をかしいか。なに、君だつて。(「道化の華」より)
この小説の三人の登場人物、仙術太郎と喧嘩次郎兵衛と嘘の三太郎は、いずれも作者の分身と見てよいでしょう。この逆説的な滑稽小説において反時代的で無頼派の嘘つきこそ誠の芸術家で、これからは我々の天下だ…とそれまでの文壇の主流であった自然主義リアリズムに対抗する、新たなロマン派の出発宣言を行なっているのです。(内容一部抜粋) 太宰を知る者にはすぐに鎌倉心中事件を小説化したもの、とわかる設定ですが、作者を思わせる大庭葉藏とは別に「僕」という語り手が随所に出没し、作中人物や作品そのものを批評します。この小説の中で小説そのものが論じられるメタフィクションという手法は、それまでの日本文学に前例のない実験的な小説であることに間違いありません。(内容一部抜粋)

第五巻
「滿願」・「富嶽百景」
第六
「女生徒」
〜愛という単一神
金剛力草とでも言ひたひくらゐ、けなげにすつくと立つてゐたあの月見草は、よかつた。富士には、月見草がよく似合ふ。(「富嶽百景」より)
〜自意識のドラマ
おやすみなさい。私は、王子さまのゐないシンデレラ姫。あたし、東京の、どこにゐるか、ごぞんじですか? もう、ふたたびお目にかかりません。(「女生徒」より)
太宰は常に富士山と対峙する場所で、文学と人生の転機を迎えます。前期の作品が不吉な「死」の影に被われているのに対して、この小説は眩しいばかりの「生」の輝きにあふれています。それは精神病院に隔離された一ヶ月のあいだに出会った聖書によって、完全に崩壊しかけた人格の統一性を少しずつ回復していったからです。(内容一部抜粋) 思春期の男女を悩ませる「自意識」の問題。太宰はこの「自意識」の分析と描き方がまことに巧みな作家でした。『女生徒』は一人の少女の繊細な内面が驚くほどのきめの細かさで描かれ、女性読者は「どうしてこんなに私のことがよくわかるんだろう」と感心することでしょう。その秘密を解く鍵は、太宰の「演技性」にあるものと考えられます。(内容一部抜粋)

第七巻
「走れメロス」・「駈込み訴へ」
第八
「お伽草紙」
〜口承文芸の魅力
今はメロスも覺悟した。泳ぎ切るより他に無い。ああ、神々も照覽あれ!濁流にも負けぬ愛と誠の偉大な力を、いまこそ發揮して見せる。(「走れメロス」より)
〜最高の喜劇作家
性格の悲喜劇といふものです。人間生活の底には、いつも、この問題が流れてゐます。(「お伽草紙」より)
七五の韻律を帯びた『走れメロス』、体言止めを多用した『駈込み訴へ』。いずれも近代文学の理想からすれば、通俗とみなされ低い評価の対象となります。ところが、 太宰の語り口と文体には、書き言葉よりもはるかに長い歴史を持つ口承文芸の膨大な 遺産が受け継がれ、うまく生かされて脈々と息づいているのです。(内容一部抜粋) 私が最初に読んだのは『人間失格』ではなく『お伽草紙』でした。ですから、太宰ほど面白くておかしい小説を書く作家はいないと今でも考えています。太宰治を私小説系統の作家として見る人は少なくないと思いますが、いわゆるパロディーにおいてわが国の文学史上最高の腕前を見せた作家でもあるのです。(内容一部抜粋)

第九巻
「冬の花火」
第十
「ヴィヨンの妻」・「櫻桃」
〜戦後への絶望
あたしのあこがれの桃源郷も、いぢらしいやうな決心も、みんなばかばかしい冬の花火だ。(「冬の花火」より)
〜悲痛なる逆説
子供より親が大事、と思ひたい。子供よりも、その親のはうが弱いのだ。(「櫻桃」 より)
長い戦争が終わり、日本人の大半がほっと安堵して前途に明るい希望を感じていたその時に、太宰の作品には実存の虚無と不安の感覚が蘇り、暗い影がさしてきます。太宰は戦後の改革とは名ばかりで、みんな一斉に同じ方向へ動く日本人の性質が、昔からまるで変わっていないことを見抜き、深く絶望していたのです。(内容一部抜粋) 言うまでもありませんが、子供より親が大事、というのは逆説です。いかに子供を案じ、家庭を大事に思っていたか…しかし太宰はひたすら読者を面白がらせ喜ばせるために、実生活を犠牲にし、文字通り命を磨り減らしていたのです。後期の作品においては、悲痛な逆説の裏に秘められた作者の魂の真の願いを読み取る必要があると思います。(内容一部抜粋)

第十一巻
「人間失格」・「斜陽」
第十二
「津輕」
〜希望と絶望の谷間
こひしいひとの子を生み、育てる事が、私の道徳革命の完成なのでございます。 (「斜陽」より)
〜作者にとっての真実
私は虚飾を行はなかつた。讀者をだましはしなかつた。さらば讀者よ、命あらばまた 他日。元氣で行かう。絶望するな。では、失敬。(「津輕」より)
作品の中の太宰は常にフェミニストでした。特に後期の作品には、男は滅びゆく者であり、女は強く生き続ける者である、という認識と願望が一貫しています。母胎への回帰を夢見てきた過去に反して、母の死後、恋と革命への戦闘開始宣言をするところは、太宰が初めて母胎からの離脱を志し、その祈りを女主人公の強さに託したものだと考えられます。(内容一部抜粋) 実母と信じていた叔母と引き裂かれて以来、生涯にわたり母性への憧れと母胎回帰願望を抱き続けた太宰。『津輕』はまさに「母を訪ねて三千里」の物語であるといっていいでしょう。しかし私には、タケこそまことの母親だった…という運動会を舞台に虚構の場面を作り上げたことが、名作『津輕』の誕生につながったように想像されるのです。(内容一部抜粋)
 
お買い上げの方には四大付録付でお届けします!
付録(1) 「太宰治への旅」解説書
「太宰治への旅」解説書
付録(2) 特製収納ケース
特製収納ケース
番組放送時に書店で発売されていたテキストの、紙質と表紙デザインを変えました。 巻末には各巻のロケ地ガイドを紹介しています。 総桐製の収納ケースは番組のロゴと、あの名作『津輕』の挿絵にも使われた太宰直筆のりんごの花の絵が印刷された、愛らしい一品です。
付録(3) 朗読CD2枚
朗読CD2枚
付録(4) 太宰治大型ポスター
太宰治大型ポスター
奈良岡朋子さん、寺尾聰さんのお二人による作品朗読を新規収録したCD。味わい深い朗読で、太宰文学の魅力を耳からも堪能できます。 有名なバー・ルパンでの一枚を特大サイズにしました。番組のロゴ入り。
 
没後50年特別企画ビデオ12巻セット
NHKビデオ
太宰治への旅

●題字:
榊莫山
●テーマ曲:
千住明 
●ナレーション:
和田篤
●朗読:
奈良岡朋子     
寺尾聰
●編集: NHK
●協力: NHKエンタープライズ21
●発行: NHKソフトウェア
 
 ※当ご案内では12巻セット販売のみで、1巻ごとのバラ売りはいたしておりません。
お求めやすい分割払い!
月々2,980円×13回払い
■ 分割払価格計 38,740円
月々の分割払金 2,980円
支払回数 13回
支払期間 13カ月
■ 一括払価格 38,000円
※上記金額には、すべて消費税が含まれております。
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